成人式の振袖は一生の宝物
私の成人式に振袖を着せることは、母の夢でした。
そのために何年も前から、振袖を購入するために貯金をしていてくれました。
しかし、高校卒業後に私立の短大に入学したので、振袖を買ってもらうのには気が引けました。
私は、安いレンタルでもいいかなと思っていました。結局、振袖は母のお下がりを着て、帯や小物を揃えてもらうことになりました。
これでも十分母の思いが伝わってきます。お下がりの振袖はピンク色で花柄です。
この振袖に合うようにと、赤い帯に金色が入ったものを選んでくれました。
帯が豪華なので、着物が映えて見えます。成人式当日は、髪型にもこだわりました。
アップをするために、髪の毛を伸ばして髪飾りも買いに行きました。成人式では、後ろの方の席に座りました。
私は、他の人の振袖姿を見たかったからです。それぞれに特徴があり似合っていました。
友達同士、「お互いに似合っているね」「かわいいね」と言い合って、楽しかったです。
友達との写真もたくさん撮りました。その後、友達に誘われて記念写真を撮りに行きました。
友達の中には、この記念写真をお見合い写真として使用した子もいました。
私はそんな風には思っていませんでした。記念に残せるようにという気持ちでした。写真撮影はとても緊張しました。
記念写真を撮る人がたくさんいたので、順番に並んでどんどん撮影していくだけでしたが、今まで撮った写真の中で一番緊張しました。
後で写真を見ると、緊張して複雑な顔をしている私が写っていました。撮り直したいなと思うこともありますが、記念としてこのままでいいと思いました。
母は、私の写真を見て笑っていました。友達同士で撮影しに行きましたが、お互いの写真は見ていません。
恥ずかしいから私も言い出せませんでした。記念写真は、顔も重要ですが、振袖がキレイに見えるように撮影してくれました。
振袖は、袖の部分が大切です。きれいに見えるように撮影できて良かったです。
成人式に振袖を着ることは、本人だけでなく両親の楽しみでもありました。母の振袖は祖母が購入したものです。
祖母は、私が中学生の頃に亡くなりました。祖母にも振り袖姿を見せたかったなと思いました。
着物が好きな祖母で、たくさんの着物を持っていました。母に合わせて作った振袖を私が着ることは想像していなかったと思います。
着物は大切にすることで、何年もキレイに残すことができます。
きちんと保管してくれていたからこそ、成人式で着ることができました。このお下がりの振袖は我が家の宝物です。
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